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 (156)日本一の景勝地を彩る
宮島のもみじ

安芸の宮島は古くから日本三景の一つに数えられ、最近では日本の世界文化遺産第一号になるなど、我が国第一の景勝地です。宮島は季節を問わず見どころ満載の景勝地ですが、安芸(あき)の宮島と呼ばれていることから見て、秋の宮島が最高でしょう。

 

 (156-1) 黄葉に取り囲まれた宮島の建物群

 宮島を代表する朱塗りの鳥居や厳島神社社殿は海中にあるため、もみじとは縁遠い存在ですが、それでも秋になると背後の山や周辺の木々の秋色に包まれ、秋の訪れを感じさせます。

 写真に写っているのは中央が五重塔、その左が千畳閣、左下が厳島神社の屋根です。

 黄色に色付く木々に囲まれた宮島の建物群を見ていると、万葉の昔の人々が”もみじ”を「黄葉」と書き表していたことが理解できるような気がします。

 

 

  (156-2) 宮島一のもみじスポット:もみじ橋
宮島の紅葉公園入口にもみじ橋と名付けられた朱塗りの橋がありますが、ここは観光パンフレットなどにも掲載されている宮島一のもみじスポットでしょう。たしかに紅葉の時期になるとインスタバエする写真が撮れる場所であり、ここを通りかかる観光客は必ず写真を撮りたくなるカメラスポットです。観光人力車もこの橋の袂まで来て宮島のもみじの素晴らしさを紹介しているようです。
 
橋の下を流れているのが紅葉谷川で、この川に沿った谷に紅葉谷公園が広がっています。

  

 (156-3) 紅葉谷公園

 紅葉谷公園には無数のイロハモミジ、オオモミジ、ヤマモミジが植えられており、春の新緑、秋の紅葉をはじめ自然の美しさを堪能できる格好の場所です。

 公園の片隅の石に腰かけて、しばしもみじに浸っていたら、目の前を数頭の鹿が通り過ぎて行きました。
「奥山にもみじ踏み分けなく鹿の声聞くときぞ秋は悲しき」
 百人一首の一句など思い浮かべながらもみじを楽しめるのも宮島ならではでしょう。

  

  (156-4) 奥紅葉谷公園
紅葉谷公園を進み''もみじ谷橋''を渡ったあたりから奥紅葉谷公園になります。ここでは渓流が間近に流れ巨石を巧みに配置した渓谷美と木々が織りなす景観は深山幽谷の雰囲気が立ち込めます。このあたりになると気温の冷え込みも一段と厳しくなり、紅葉の色も更に鮮やかになります。また背後のモミノキ(樅の木)の緑との組み合わせも美しく、宮島の秘めたるもみじスポットでしょう。
 
モミノキ(樅ノ木)は一般に海岸から離れた山間部に成育していますが、ここ宮島では海岸に近いにもかかわらずモミノキが多数生育しています。モミノキの緑が華やかなもみじを一段と引き立てています。

 

 (156-5) 大聖院からの秋色眺望ともみじ饅頭

 宝物館から白糸川にそって10分足らず谷を登ったところに大聖院と呼ばれる寺があり、ここの紅葉も中々の物です。小高い所にある大聖院からは瀬戸の海と宮島の秋色に包まれた建物群が見渡せ、宮島の知る人ぞ知るもみじスポットです。

 宮島のもみじを散策するとき、忘れてならないものは「もみじ饅頭」です。もみじ饅頭というと広島の定番土産になっていますが、宮島が発祥の地で、厳島神社参道商店街にはもみじ饅頭製造販売店が軒を連ねています。紅葉散策で目の保養をして疲れたら、もみじ饅頭店に立ち寄り、焼きたてのもみじ饅頭で腹を膨らませるのも良いでしょう。

  

   樹木写真の属性
 樹  種 イロハモミジ(いろは紅葉)[カエデ科カエデ属]
ヤマモミジ(山紅葉)
オオモミジ(大紅葉)
イチョウ(銀杏)
(「樹木の見所」のページにリンクしています)
 樹木の所在地  広島県廿日市市宮島町  
 撮影年月  2011年11月
 投稿者  木村樹太郎   
 投稿者住所  島根県邑智郡川本町
 その他